前払費用=prepaid expensesだよ。
この記事では英文会計初心者向けに以下を解説していきます。
- 前払費用とは
- 前払費用のワンポイント補足
- 実務で使える前払費用に関連する会計英語
英文会計実務や米国株投資の財務分析などに役立ててください。
前払費用とは
将来提供されるサービスへの前払いのこと。(payment in advance for services rendered in the future)
将来サービスを受ける権利であるため、費用ではなく資産勘定となる。
前払費用とは、言葉のとおり代金の前払いのことです。
ただこの前払費用、名前に費用とつくのでややこしいですが、
費用ではなく、資産の勘定科目です。
この点がポイントとなります。
前払いで将来サービスを受ける権利=資産を買ったと考えると、わかりやすいね
前払費用のワンポイント補足
ここから少し細かい会計のルールの話になってしまいますが、
この前払費用(資産)はいつ費用化するのか?
答えは、前払したサービス等を実際に使用(消費)したときです。
流れとしては以下のとおりです。
- 代金を前払いしたときに資産として計上
- 実際にサービスを使用(消費)したときに費用化
つまり、現金を支払うタイミングと費用として計上するタイミングがズレるわけです。
使用した時に費用化、という考え方が会計のキモなんだ。
発生主義と現金主義
会計はまずこの部分で混乱する人が多いです。
会計で費用を認識する(recognize expenses)する際は原則、発生主義(accrual basis)という考え方に従います。
お金を支払った時ではなく、実際にサービスなどを使用した際に費用として計上するという考え方
その反対が現金主義(cash basis)です。
お金を支払った時に費用として計上するという考え方
以上、2つの考え方がありますが、会計基準で認められてるのは発生主義の方です。
現金主義は主に個人事業主の所得税や小規模事業者の法人税計算で使われます。
簿記3級では、前払した代金を費用ではなく、前払費用という資産へ計上する考え方を繰延べ(deferral)といいます。
ただ、実務上はあまり繰延べという表現は使わないですかね。
繰延ってだけだと何を繰延べ(先送り)しているのか、よくわからないので。
ストレートに前払費用へ振り替え、などと言ってますね。
繰延べって言葉はわかりづらくてニガテかも。
前払費用と前渡金の違い
日本の会計ルールでは前渡金と前払費用は明確に使い分けの指示があります。
ポイントは継続性があるか、ないか。
1年間など、継続してサービスの提供を受ける場合の前払い
例:前払家賃、前払保険料など
商品、あるいは1回ポッキリのサービス提供を受ける場合の前払い
例:材料費、商品、外注費の前払いなど
ただ英文会計上は日本ほど明確な使い分けはありません。
海外の決算書を見ても前途金(advances to supplier)が前払費用(prepaid expenses)として表現されていることも多いです。
どちらでも通じますので神経質になることはないと思います。
実務で使える前払費用に関連する会計英語
最後に前払費用に関連する会計英語の紹介です。
海外スタッフ向けメールや英文での財務報告資料作成などにそのまま使えるように
英単語だけではなく、フレーズを中心にまとめました。
前払いする[動詞] pay in advance
pay insurance premiums in advance
▶︎保険料を前払いする
前払家賃[名詞] prepaid rent
前払保険料[名詞] prepaid insurance
長期前払費用[名詞] long-term prepaid expenses
※1年以上先の費用の前払いは長期がつく
前払費用は資産として計上される
prepaid expenses are recorded as assets
前払費用は将来の経済的便益をあらわす
prepaid expenses represent future economic benefits
以上
最後まで読んでいただきありがとうございました。
前払費用は英語でなんていうの?