有形固定資産=Property, plant and equipmentだよ。
PP&EまたはPPEと略されるよ。
この記事では英文会計初心者向けに以下を解説していきます
- 有形固定資産とは
- 有形固定資産のポイント
- 有形固定資産に関連する会計英語
英文会計実務や米国株投資の財務分析などに役立ててください
有形固定資産とは
1年を超えて(more than one year)使用される形ある資産(tangible assets)のこと
具体的には以下が有形固定資産となります。
- 土地(Land)
- 建物(Buildings)
- 機械装置(Machinery)
- 器具備品(Furniture)
- 車両(Vehicles)
- 建設仮勘定(Construction in progress)
おさらいですが、貸借対照表(balance sheet)の左側に資産(aseets)が計上されます。
資産は以下2つに分類されます。
- 流動資産(current assets)
- 固定資産(fixed assets/non current assets)
今回の有形固定資産(PP&E)については、固定資産の一部となります。
アメリカ企業の貸借対照表を見ても、日本企業のようにLand、Buildingsなど項目がないよ?
そうなんです、細かい点ですがここ日本と海外で違うんです。
日本では土地、建物など有形固定資産の項目ごと貸借対照表に表記するのが一般的です。
しかし海外ではLand、Buildingsなどの項目は貸借対照表に表記せず「Property, plant and equipment」でまとめるのが一般的です。
海外では注記(note)をみるとLand、Buildingsなどの内訳がわかります。
有形固定資産のポイント
有形固定資産のポイントはいくつかありますが、今回は以下2点を解説します。
- 取得原価(Acquisition cost)になにを含めるか
- 資本的支出(Capital expenditure)と修繕費(Repair costs)
どちらも基本的なルールはありますが、経理の実務上はどちらも機械的な判断が難しい場面がよくあります。
取得原価になにを含めるか
まずは有形固定資産を取得する際に必ず出てくる論点から。
固定資産の取得原価(acquisition cost)には購入金額(purchase price)だけでなく、固定資産を使用可能な状態にするために必要な全ての費用(all necessary costs for its intended use)が含まれます。
これらの費用を会計上は付随費用と呼びます。
固定資産の取得原価に含まれるのは主に以下のとおりです。
- 購入金額(Purchase price)
- 運賃(Freight)
- 運送保険料(Insurance costs)
- 据付費用(Installation costs)
- 試運転費用(Commissioning costs)
- 購入手数料(Fee/Commission)
- 資産除去債務(Asset retirement obligation)
※将来かかる撤去費用や原状回復費のこと
上記の項目は例外なく取得原価となります。
本来、固定資産の取得に関連する費用はすべて取得原価に含まれますが、以下項目は日本では固定資産の取得原価に含めなくてよいとされています。
- 不動産取得税
- 登記に必要な登録免許税
- 固定資産取得にかかる借入金利息
取得原価に含まなくていい項目はあくまで参考程度で大丈夫です。
おさらいとして以下カンタンな例題を考えてみましょう。
取得原価は購入金額だけじゃないんだね
例えば発電プラントの試運転で使用する燃料なども取得原価に含まれるんだ。実務では結構出る論点だよ。
資本的支出と修繕費
次は固定資産取得後の重要な論点です。
固定資産を取得して数年経つと当然、メンテナンスなどを行う必要があります。
この固定資産のメンテナンス費用は、固定資産の取得原価とするのか、発生した年度の費用とするのか、どちらだと思いますか?
結論としては実施したメンテナンスの内容によって変わってくるんです。以下解説です。
固定資産のメンテナンス費用は大きく2つに分類されます。
- 資本的支出(Capital expenditure)
→固定資産の取得原価 - 修繕費(Repair costs)
→発生年度の費用
資本的支出に該当する場合は固定資産の取得原価として、減価償却によって費用化。
一方、修繕費の場合は発生した年度の費用として処理します。
判定方法ですが以下”いずれか”の条件を満たした場合、資本的支出となります。
- 固定資産の機能や性能が向上する(upgrade)
- 固定資産の使用可能期間を延長する(extend the life of assets)
※上記のいずれか満たせば資本的支出
上記のいずれも満たさない場合が修繕費。
こちらも具体例で考えてみましょう。
資本的支出の判定は実務でも非常によく出てくるよ
修繕にかかる費用=修繕費だと思ってたけどちがうんだね
以下さらに細かい点ですが、参考までに資本的支出の減価償却の補足。
日本では資本的支出の減価償却(depreciation)は、資本的支出を行なった資産と同じ耐用年数(useful life)を採用して減価償却を行います。
例えば、耐用年数47年の建物の大規模修繕の一部(1億円)が資本的支出と判定された場合
この1億円については建物とは別に、実施した年度から起算して耐用年数47年で償却することになります。
実務上は資本的支出は本体とは別の固定資産として、新たに固定資産システムに登録しているよ
有形固定資産に関連する会計英語
最後に有形固定資産に関連する会計英語の紹介です。
海外スタッフ向けメールや英文での財務報告資料作成などにそのまま使えるように
英単語だけではなく、フレーズを中心に独自にまとめました。
Acquire
[動詞] 取得する
例)Our company plans to acquire a lot of PP&Es during the current year.
▶︎我が社は今年度たくさんの有形固定資産を取得する予定だ
Useful life
[名詞] 耐用年数
examine the useful life of the PPE
▶︎有形固定資産の耐用年数を調べる
Tangible assets
[名詞]有形固定資産
※PPE以外の呼び方
Accumulated depreciation
[名詞] 減価償却累計額
Please represent net amounts of PPE on the balance sheet by subtracting accumulated depreciation from the gross amount.
▶︎固定資産総額から減価償却累計額を差し引いて、貸借対照表に有形固定資産の純額を表示してください
Disposal of PPE
[名詞]有形固定資産の処分
Impairment of PPE
[名詞]有形固定資産の減損
以上
最後まで読んでいただきありがとうございました。
有形固定資産は英語でなんていうの?