FAR→BARの順番は王道だね。勉強時間やおすすめ勉強法を解説するよ。
FARの次の科目は?
私は旧試験の合格者でありBARは受験していませんが、BAR前身の旧FAR+BACの受験経験および最新のBlueprintなどを元に記事を執筆しています
FARの次はBAR?それともAUD?
個人的にはBARをオススメします。なぜならBARは財務会計、政府会計、原価計算などFARと親和性の高い科目だからです。
FARの勉強方法の延長線上で戦えるのがBARかなと思います。
一方AUDは深い理解が求められる科目のため、FARの勉強方法と少しやり方を変える必要があるためです。せっかく身につけた勉強方法を2科目目で変えるのはちょっともったいない。詳しくは以下を参照してください。
またAUDといえば何度も試験に落ちてしまう、いわゆる「AUD沼」。
2科目目でこれにハマると精神的にしんどいため、FAR・BARと早めに2科目受かって心理的な余裕を作りたいというのも理由の1つです。
この記事ではBARの前身である旧FAR+BECの勉強当時の私のスペック、勉強時間、おすすめ勉強法について、現役USCPAである私が自分でやってよかったこと、反省点なども踏まえながらBARについて解説していきます。
ちなみに私はアビタスで合格しましたが、どの予備校だろうと攻略のコツは変わりません。
BARの突破を目指すUSCPA受験生の参考になればうれしいです。
旧FAR、BEC勉強開始時のスペック
会計や英語レベルによって勉強時間が大きく変わるのがUSCPA試験の特徴です。
なので、まずはこの記事を書いている筆者の当時のスペックを紹介します。
- 社会人歴:7年目
- 経歴:管理会計5年、ファイナンス1年
- 会計資格:簿記2級、建設業経理士2級
- 英語力:TOEIC700点程度
- 文学部出身のため経済の勉強なし
- 平均残業40時間/月
- 子ども2人(3歳、2歳)
旧FARについては財務会計の経験はなし、簿記2級保有の状態で突入。
BECについては元々管理会計畑だったため原価計算などの管理会計分野はほぼ勉強は不要。またファイナンス分野もほとんど知っている内容でした。
旧FAR、BECの勉強時間
旧FARは350時間勉強でスコアは87点、BECは220時間勉強でスコアは79点でした。
過去の私の旧FAR+BECの受験経験とBAR出題範囲を踏まえると、BAR基本勉強時間は300時間と考えます。
AICPAが発表しているBlueprint(科目別の試験内容)をみるとBARは以下5つで構成されています。
- 管理会計
- ファイナンス
- COSO-ERM、経済
- 財務会計(上級論点)
- 政府会計
実務経験などから得意分野がある場合は「得意分野の数×▲30h」の分だけ勉強時間が減るイメージです。
政府会計の経験がある方はいないと思いますが、管理会計、ファイナンス、財務会計など実務経験がある方は有利な科目です。
- 基本勉強時間
→300時間 - 得意分野1つあり
→270時間 - 得意分野2つあり
→240時間
BARのおすすめ勉強法
BARの勉強法および攻略のコツは以下3つです。
それぞれ順番に解説します。
①管理会計、ファイナンスを得点源に
「管理会計とファイナンス」はBAR中核分野であり、MC、TBS問わず出題されます。したがってこの分野で得点を稼ぐことがBAR攻略には不可欠です。
ただ「管理会計とファイナンス」は計算問題が中心で、ある程度解答パターンが決まっています。
また財務会計(上級)に比べると概念もシンプルなため、一度考え方や計算方法をマスターすると、忘れにくく間違えづらい分野です。
したがって、BARではまずは「管理会計とファイナンス」の勉強に時間をかけましょう!
問題を見たら手が勝手に動くレベルまでMCを繰り返して、「管理会計とファイナンス」を得点源にすることがBAR合格への近道だと考えます。
TBSについてはMCを仕上げることで、自然と解けるようになるので問題形式に慣れる程度で大丈夫というのが私の考えです。
MCは解けるがTBSになると急に解けなくなる人は、資料の物量に圧倒されて焦っているか、そもそも各論点の本質を理解していないのだと思います。
対策としては、前者はTBS形式に慣れる。後者はテキスト精読に立ち返るのが有効だと思います。
②財務会計(上級)は基本問題を落とさない
財務会計(上級)は「AreaⅡ-Technical Accounting and Reporting」に該当し、BAR出題構成の35-45%を占めています。
以下Blueprintからの抜粋ですが「Skill level」に注目してください。「Remembering&Understanding」「Application」が中心、そして「Analysis」がほとんどないことがわかると思います。
ちなみにBlueprintでチェックマークがついている数を分野別に単純合算すると以下の通りになります。
BAR Skill | Remembering and Understanding 【記憶と理解】 (易) | Application 【応用】 (やや易しい) | Analysis 【分析】 (やや難) | Evaluation 【評価】 (難) |
---|---|---|---|---|
AreaⅠ Business Analysis 【管理会計】 【ファイナンス】 【COSO-ERM、経済】 | 3 | 12 | 12 | – |
AreaⅡ Technical Accounting and Reporting 【財務会計(上級論点)】 | 17 | 16 | 3 | – |
AreaⅢ State and Local Governments 【政府会計】 | 14 | 24 | – | – |
ここから何が言えるか?
財務会計(上級論点)は基本知識を問う問題が大半ということです。
財務会計(上級論点)は収益認識、株式報酬、貸手リース、企業結合、海外子会社換算、退職給付会計など、そもそも概念が難しく、馴染みがない論点が数多く含まれています。
したがって、各論点の受験者の完成度はあまり高くなく、基本知識を問う問題でも正答率に差が出るのでしょう。
これらを踏まえると、財務会計(上級論点)は応用レベルや細かい論点含めてカンペキを目指す必要はなく、基本問題で確実に正解することが大切と言えます。
③政府会計を極める
BARにおける政府会計の出題比率は10-20%のため、政府会計を軽視する受験生もいるかと思います。
しかし私は以下2点から政府会計を極めることをオススメします!
- MCでメチャクチャ出題される
- 時間稼ぎになり、計算問題に時間を使える
まずはMCでの出題率について。
政府会計の出題比率は10-20%と一見少ないと思うかもしれませんが、政府会計は基本MCで出題されます。BARはMC50%:TBS50%の構成です。となるとどうか?
MCにおける政府会計の出題率は20-40%になります。
考え方は以下のとおり。
MCにおける政府会計の出題率は20-40%×全体に対するMC比率50%
=BARにおける政府会計の比率10-20%
具体的にはMCの3問に1問は政府会計の問題が出てくるわけです。
この出題比率はすごくないですか?
しかも政府会計は暗記科目なのでやればやるだけ完成度は上がり、安定した得点源になります。
続いて、2つ目の時間稼ぎについて。
政府会計を極めると問題を見たら即答が可能になります。
私が受験した当時は旧FARで政府会計が出題されており私も政府会計を極めましたが、試験本番でも気持ちいくらい即答ができるんですよね。一切悩まない。
これは大きなメリットです。
BARは管理会計、ファイナンス、財務会計(上級論点)があるため、MCやTBSで計算問題が数多く出題されます。
USCPAは時間との勝負という面もあるため、計算問題は本当に時間が足りなくなるんです。時間があればもっと解けなのにという経験は私もあります。
したがって、政府会計でMCを即答できる計算問題に時間を回すことができて、落ち着いて取り組むことができ、結果的にBAR全体の得点が向上するのです。
以上2点から政府会計を極めることをオススメします。
一見範囲が広く見えますが、単純な問題が多いので深い理解は不要。テキストはサッと流してガンガンMCに取り組む中で完成度を上げていきましょう!
おわり
以上3つが私なりのBARおすすめ勉強法でした。
新科目のBARですが、半分くらいは旧FARの内容ですね。旧BECにあった記述問題も無くなったので、日本人にとっては比較的取り組みやすい科目だと思います。(日本人は計算問題が得意ですから)
BARを突破するとだいぶ気持ちの余裕が出てきますので、ぜひ頑張ってください!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
FAR受かったよ。次はBARを受けようと思うけど、どれくらい勉強すれば受かるかな?